開発中の進行性腎細胞がん治療用の抗がん剤新薬「チボザニブ(アステラス製薬)」が良好な治験結果を得ている。
抗がん剤新薬「チボザニブ」は、既に承認を取得している既存の抗がん剤である「ソラフェニブ」より良好な治療効果が示されている。
チボザニブはソラフェニブよりも投薬でがんが悪化しない期間(無増悪生存期間)が長くなり、副作用も少ないという実験結果。
1年以上のがんを悪化させずに現状に留める効果は画期的な抗がん剤新薬との期待が高まる。
金沢大学が開発した、血液によるがん検査がインドで事業化される。
この血液がん検査は「マイクロアレイ血液検査」と呼ばれ、がんに関係する遺伝子を載せた「DNAチップ」を使い、患者の血液から抽出した遺伝物質を解析することでがんを早期に発見できる。金沢大学とバイオベンチャー企業「キュービクス」が共同開発し、特許も取得済。
今のところ「血液がん検査」が対応している がんは消化器系がん(胃がん、大腸がんetc.)だが、今後は肺がんや乳がん、子宮がん、前立腺がん等のがんへもの適用できる改良を目指している。
血液の遺伝子解析によるがん検査法は昨年2011年8月に商品化され、石川県内では金沢市の北陸病院、七尾市の恵寿総合病院、白山市の公立松任石川中央病院、加賀市の山中温泉医療センターへ導入されている他、砺波市の砺波総合病院などと合わせて国内24施設で約200例への導入実績があり、評価を得ている。
海外では、ドイツに続き、今回のインドへの事業展開が2例目となる。
インドでは、提携した地元企業が、2012年中に臨床性能試験を300例実施し、来年2013年にも検診事業が開始される。その後、中近東やシンガポールへの展開も計画されており、日本からはDNAチップの輸出拡大と検査や解析の手法の指導が期待されている。