がん患者自身の免疫力を高めた「がんワクチン」が。注射したがん患部以外の転移したガン細胞も攻撃する効果があることが発表された。
がん治療遺伝子「REIC(レイク)」を発見した岡山大学が、 2011年から実施している実際のがん患者への臨床試験において、直接投与した部位のがん細胞が消滅しただけでなく、他の転移がんの細胞も大幅に減少したのだ。
全身にがんが転移して外科手術では除去できないがん患者や、通常の抗がん剤が効かない進行がんの末期のがん患者などが、新薬の治療対象として期待が高まっている。
新治療法の臨床研究は2011年1月から、 前立腺がんの男性20人を対象として実施されている。 REICの濃度が高いほどがん細胞を死滅させる効果作用が強く、副作用も少ないと安全性も確認できている。
最も顕著な回復例としては、リンパ節5カ所余に転移し、抗がん剤が効かない、いわゆる末期がん状態の男性(60代)の治療回復例。 REICをがん患部へ2回注射したところ、腹部にあった最大の腫瘍(直径最大5センチ)のがん細胞は消失しただけでなく、他の臓器に転移していたがん細胞も大幅に減った回復が確認された。
REICを注射したがん患部だけでなく、他所のがんも攻撃する『究極の遺伝子治療』が実現に近づいている。