Archive for 2012年5月22日

がん治療に使える金額と先進医療の金額

「がん」の治療費に関わる意識調査の結果が発表された。

全体の6割の人が自身ががんを発症した場合に「保険金なども含めて治療費としては100万円以上は使えない」と答えている。この傾向は、世代・性別の属性別でも、総じて6割と変わらない。概算平均額で見るとがん治療費に使える総額の平均は130万円程度。やはり高齢層の方ががん治療に使える金額は多い傾向がある。

心臓病や脳血管疾患の治療法が進んだことから、間違いなく日本人の死因第一位となった「がん」。 がん治療には保険適用外の先進医療なども合わせ、多種多様な、そして比較的長い(とはいえ最近では平均入院日数は30日を切っている)治療を要するようになる。自然とその治療費は高額となる傾向があるものの、多くの人が「がんの平均治療費は100万円である」と聞くと「高い」と感じるようである。

がん」を発症した場合、保険金も合わせていくらまで使う事ができるか、という問いには、 6割の人が「50万円未満」「50~100万円未満」の領域に留まっていおり、現状では「100万円以上は少々難しい」というのが現実なのだ。

しかし先進医療などで、陽子線治療、重量子線治療 等を受けるには300万円以上、 免疫細胞療法で150万円前後、サプリメント療法でも月額数万円の治療費が必要となる。お金が無いゆえに、満足な、最先端のがん治療が受けられない「がん難民」の潜在率は6割近くに達していることになる。

米国では富裕層ほどに、先進医療に加え、サプリメントなどと組み合わせた混合医療の取組が顕著で、貧困ががんでの死亡を更に引き寄せる原因となっている。

日本が世界に誇れる唯一の社会制度「国民皆保険」の先進医療への承認が待望される。

子宮がん,卵巣がん,胃がんの名医

がんの手術は、特に女性特有のがんである子宮がん、卵巣がんなどの場合、術後の患者の生活や精神面を考え、傷口を小さくしつつ、がんだけを完璧に取るかが問われる。

子宮がん、卵巣がんは転移が懸念されるために全摘出手術が多い。しかし、傷痕に心を痛める患者の想いとがんの再発リスクを比べつつ、両立させることが、「がん名医」なのだ。

子宮がん、胃がん、卵巣がんの名医を下記に挙げる。

  • 兵庫医科大学病院:笹子 三津留 医師
    胃がん手術の最前線で執刀しているは、 2007年まで国立がんセンター副院長だった笹子医師は、デスクワークよりも現場での執刀を優先して退職し、現在の兵庫医科大学病院へ異動した。2千件を超える執刀数もさることながら、後継者を育てるという強い気概にも信頼は高い。
  • がん研有明病院(東京):滝澤 憲 医師
    がん研有明病院は子宮がんの手術件数が毎年国内1位。病院全体のモチベーションが非常に高く、技術力も国内トップ。
  • 北海道大学病院:櫻木 範明 医師
    子宮がん手術の『北大式』というオリジナルの手術法を開発したことで有名。子宮摘出の際、残すべき神経組織をていねいに残すことで排尿障害などの合併症防止を図る。患者とのコミュニケーションが密であることも評判が高い。
  • 筑波大学附属病院(茨城):吉川 裕之 先生
    進行したがんや取りにくい場所にできたがんの手術に対して、高い生存率を上げている。高い技術的で評価が高い。
  • 埼玉医科大学国際医療センター:藤原 恵一 医師
    「子宮摘出手術時の神経温存術」をオリジナルでを発案した。卵巣がんの手術にも定評。
  • 倉敷成人病センター(岡山):安藤 正明 医師
    子宮がん、卵巣がんには、保険適用が認められていないために高額な腹腔鏡手術を8千例以上成功させている。治療費が高額(140万~200万円)でも頼る患者が増える技量がある。