Archive for 2012年6月20日

悪性リンパ腫治療効果を事前評価する新手法

血液のがんである悪性リンパ腫。
その中のNK細胞リンパ腫に対しては、通常の抗がん剤がほとんど効かないことが問題だった。しかし、5種類の抗がん剤を投与する「SMILE療法」が、NK細胞リンパ腫に対して治療効果が高いことが判明。さらにその治療効果の大小を事前予測する手法が解明された。白血球の減少や肺障害などの副作用が出ることがあるが、頻度が少ないことが特徴だ。

リンパ腫の腫瘍(がん細胞)に含まれるウイルスが血液中に出した遺伝子の量が少ないほど「SMILE療法」のNK細胞リンパ腫に対する治療効果が高いことが判ったのだ。しかも、その適正が合致すると副作用も少ないことも確認された。

名古屋大医学部の研究チームが解明し、米専門誌に発表した。

切らないがん治療に小型の新型治療機器

副作用が少なく治療効果の高い次世代のがん治療、陽子線治療システムの新型機が米国FDAの承認を取得した。

既存の陽子線治療は、広大な設置面積が不可欠で、膨大なコストが問題だった。

新型の陽子線治療システムは、設置面積を著しく低減することに成功し、同時に信頼性を改善、既存のエックス線放射線治療システムと類似した管理方法や操作方法を用いる事で、経済性、操作性を向上した。そのため、導入コストや運営コストのが大幅に低減されたのだ。

小型で高精度で強力な陽子線ビームががんを治療する新型の陽子線治療システム「MEVIONS250」は、米国のメビオンメディカルシステムズ社が開発・販売している。今後は2014年までに、世界で12台以上のMEVIONS250 陽子線がん治療システムが出荷される予定で、ロバートウッドジョンソン大学病院(ニュージャージ州)とオクラホマ大学(オクラホマ州)への搬入が進行中だ。その後、フロリダやカリフォルニアの病院へ順次に導入が進められる。

高精度で切らないがん治療は今後ますます普及と低価格化が望まれる。