Archive for 2012年4月25日

抗がん剤の投与時間が 新治療法

使う抗がん剤は同じでも、投薬法で高い効果を上げる新しいがん治療法が実践されている。

既存のがん治療薬を用いた「時間治療」とは、抗がん剤治療薬を「深夜」に投与するだけの治療方法だ。驚くべきことに投与する時間を「深夜」へ変えるだけで、がん患者の生存期間の延長や、関節リウマチのつらい痛みや腫れがおさまるなどの効果が上がる。

健康診断で肝臓がん が発見されたが、がんが大き過ぎるために手術は無理とされていた男性は、「時間治療」による抗がん剤投与で がん細胞が収縮した。以前の病院では効果が無かった同じ抗がん剤を、「時間治療」を採用している病院で、それまでの抗がん剤の1.5倍の量を深夜に投与すると、数ヶ月後にがん細胞を縮小できたのだ。

関節リウマチに対しても、「時間治療」は有効だ。長年リウマチに苦しんできた70才の女性が、従来と同じ薬を、飲む時間を朝昼2回から”夜寝る前の1回に変更”しただけで痛みの症状が激減する効果が得られた。

がん治療に「時間治療」が有効である可能性は高まっているが、実施できる病院は限られる。深夜に実施されるために医療スタッフの確保などが困難だからだ。

しかし、がん患者にとっての新治療法は価値ある情報で検討に値するだろう。

乳がんの抗がん剤 新薬を承認

ドイツで進行性・転移性乳がんの新薬が承認された。

承認されたのは、エーザイにより創製・開発された抗がん剤「HALAVEN」(一般名:エリブリンメシル酸塩)。

複数の抗がん剤治療歴のある局所進行性・転移性乳がん に対して、作用効果を有していると評価された。評価は、ドイツ連邦合同委員会によってグローバル第III相臨床試験であるEMBRACE試験の結果に基づいて行われた。

「HALAVEN(ハラベン)」は、単剤のがん化学療法の抗がん剤としては、世界で初めて治験医師が選択した治療法との比較で、統計学的に有意にがん患者の全生存期間の延長を示したとされる。

進行性・転移性 乳がんの患者に対して、生存期間の延長=余命延長に寄与するとされる抗がん剤新薬だ。