Archive for 2013年1月31日

余命が2倍に延びるすい臓がん新薬

転移性すい臓がんの新薬として抗がん剤「アブラキサン」の臨床試験(治験)で良好な治療結果が得られた。

すい臓がん新薬「アブラキサン」の第3相試験では、既存の抗がん剤であるゲムシタビンとアブラキサンを併用したすい臓がん治療を実施した。 新薬治療の結果、既存抗がん剤のゲムシタビン単独での治療と比較して、余命の延長効果が示されたのだ。

新薬によるすい臓がん治療では、全生存期間が改善し、1年生存率が59%増、2年生存率は2倍へと大幅に改善した。さらに、無増悪生存期間や全奏功率などの指標においても、 新薬の併用療法は優れた成績を示した。

最も重要なことは、新薬による治療でも、深刻な副作用が出現しなかったことだ。

すい臓がん治療薬「アブラキサン」は、スイスのセルジーンが開発中の新薬で、 抗がん剤パクリタキセルをヒトアルブミンと結合させた懸濁注射剤である。

胃がん は激減する

日本の胃がん患者が激減される可能性が出てきた。

多くの胃がんの原因だと判明しているピロリ菌の除菌治療やピロリ菌検査が 2013年には保険診療として認可される見込みが出てきたのだ。

がん患者のほとんどにピロリ菌が関与しており、胃潰瘍や、胃がんの危険性の最大の原因であることが解っていた。しかし、これまでは「予防的な治療は保険診療にならない」という原則から、保険診療の対象は非常に限定されたものだった。現在は、消化性潰瘍の治療歴のある患者、早期胃がんの内視鏡治療を受けた患者等にしか保険診療が認められていなかった。

しかし、ピロリ菌40代で約3割、60代で約7割の人が感染している胃がん要因であり、除菌治療が胃がん患者と胃がん死亡削減の決め手と、保険適用化の要望が高まっていたのだ。

保険適用化によってピロリ菌除菌が広まれば、消化性潰瘍の患者数も、胃がんの患者数も、確実に減少するだろう。日本で現在年間5万人が亡くなる胃がん患者の激減は歓迎すべき施策だ。

胃がんはピロリ菌が最大の要因のため除菌でリスクを最小化できるが、他方、日本人に胃がんの多い原因である「塩分過多の食生活」には留意が必要だ。規則正しく多様性のある食事を基本に、減塩を心がけることは、胃がんだけでなく生活習慣病全般の予防に寄与するからだ。