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画期的な抗がん剤新薬の671が最終治験段階

がん(癌)もいづれは克服される病気に違いない。それだけ日夜に世界各国で新しい抗がん剤や治療法が開発され続けている。

米国研究製薬工業協会(PhRMA)が、取り纏めて発表した抗がん剤の開発状況は闘病中のがん患者と家族に勇気をもたらすだろう。多くの新薬が臨床試験でも最終段階を迎えつつあり、近い将来に新薬として”利用可能”となる可能性が示されたのだ。しかも、これらの抗がん剤新薬は300種をゆうに超え、それぞれが「劇的な効果」をもたらすというのだ。

米国研究製薬工業協会によると、世界で開発が臨床試験段階にまで進んでいる新薬は9404プロジェクトある。 
その内の74%が「画期的新薬」になる可能性があるとされている。 さらに抗がん剤の新薬に限っても4000件以上のプロジェクトが鋭意進行中なのだ。

治験は進行段階によって3段階に分けられるが、それぞれに画期的新薬となり得る可能性のプロジェクトの数も併せて報告されている。その数は、

  • フェーズ1の3723プロジェクトのうち3073プロジェクトが画期的新薬候補(83%)
  • フェーズ2の4424プロジェクトのうち3205プロジェクトが画期的新薬候補(72%)
  • フェーズ3の1257プロジェクトのうち 671プロジェクトが画期的新薬候補(53%)

となっている。

全世中が人類の英知を結集して、6949件もの”画期的新薬”の開発が進行中なのだ。

“近い将来”の劇的な効果のある抗がん剤新薬の登場が待たれる。

大腸がんや膵臓がんに有効な抗がん剤新薬の開発

大腸がんや膵臓がんの治療に有効な新薬が開発中だ。「クルクミン」と呼ばれる成分の抗がん採用に注目した抗がん剤新薬の開発が進んでいるのだ。

注目の抗がん成分「クルクミン」は、おなじみの健康食品である「ウコン」の主成分だ。 「ウコン」はカレーの黄色を出す香辛料のターメリックとして有名だが、酒酔い予防の健康ドリンクとしても定着しつつあるので既に馴染み深い成分とも言える

実は、この「クルクミン」の抗がん作用は今までも注目されてきた。
しかし、クルクミンは一時に大量摂取しても有効成分の大半がすぐに排せつされてしまうために、 血液中の濃度が高められず、成分の持つ効果が発揮され難いという問題があったのだ。

そこで、京都大のチームがクルクミンの抗がん作用はそのままに、クルクミンの化合物を新しく生成することにした。 体内に留まって排せつまの時間を稼ぎ、体内で有効成分に変わるクルクミンの化合物を合成したのだった。この結果、体内の血中クルクミン濃度が従来の約1000倍に高められ抗がん作用を高めることができるようになった。
この京都大の研究チーム(掛谷 秀昭 教授:天然物化学)によるクルクミン化合物は、 既にマウス実験が実施され、がんの進行抑制に著しい効果が確認されている。

クルクミン化合物のマウス実験では、人の大腸がんを移植したマウス8匹にクルクミン化合物を注射された。 3週間後には、治療していないマウスに比べて、クルクミン治療のマウスは腫瘍が半分以下に小さくなったのだ。 副作用も確認されていない点が評価されている。

大腸がんや膵臓がんへの新薬の開発が期待されるクルクミン化合物の成果は、日本臨床腫瘍学会で発表される予定だ。