がん治療最新情報センター

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1.5cmの肺がんを1ヶ月で消失した最新治療機器

膵臓がん、乳がんへの適用も

最新鋭の肺がん治療は高精度+自動追尾

日帰りでがんを治療できる超高精度スナイパーマシンとは!?

新世代の放射線がん治療機器「サイバーナイフ」を用いた 切らない日帰りがん治療の普及が始まった。 「サイバーナイフ」は放射線治療機器の一種だが、モニターシステムを統合した大掛かりな がん治療システムだ。 「サイバーナイフ」の放射線発射装置である「リニアック」は、放射線を先端からがん細胞に最小5mmの放射線ビームを放つ心臓部だ。このビーム口径は世界最小クラスの細さでこれがまず治療精度を高めている。

そして、横たわるがん患者の周囲を「リニアック」が 1200通りの角度と方向からがん細胞に向かって細い放射線ビームを照射する。がん細胞だけを様々な方位から細く狙い打つことで、正常細胞のダメージを最小化しつつ、がん細胞だけに繰り返し、細く放射線を照射する治療機器なのだ。

自動追尾で高精度

もう一つのサイバーナイフの特色が呼吸によるがん部位の自動追尾だ。呼吸することで肺だけなくがん患部も微妙に動いてしまうが、このがん患部の動きに同期して、放射線も細かく動きながらビーム照射されるのだ。 がん患部を追尾する情報は、天井に取り付けられた3台のカメラからの情報から分析される。 2台はX線カメラで、残る1台が赤外線カメラ。

患者は、体の動きが最小化されるように固定用マット敷いたベッドに横たわり、 LEDライトをお腹に装着する。 システムは、体内のがんを直接に見ているのではなく、がん細胞の至近に「金マーカー」と呼ばれる目印が入れられている。金マーカーは、太さ1.1mm、長さ5mmの微小。この「金マーカー」が呼吸に合わせてがんと同じ動きをするのをX線カメラで追尾する。

金マーカーのトレースはX線カメラで行われるが、 X線を患部周囲へ投影し続けるのは放射線被爆となるので良くない。そこで体に害の無い赤外線カメラでLEDライトと金マーカーの距離と呼吸による動きの相関を記憶しておき、呼吸によって動きがん患部の位置を補足し、トレースし続けるのだ。サイバーナイフによるがん治療は1回30分間程度で、入院の必要も無い。 2週間で計4回程度の治療となる。

1.5cmの肺がんが、1ヵ月後にはがんが消えさった例もある

乳がん、肝臓がん、膵臓がんへの応用

サイバーナイフで治療が可能ながんは、今のところ肺がん、脊椎がん、脳腫瘍などである。 残念ながら放射線に弱い粘膜を持つ消化器系のがんには使えないために、胃がん、大腸がん には使えない。 しかし、海外では乳がん治療にサイバーナイフを利用して効果が上がっているとの報告もある。今後は、乳がん に続き、肝臓がんやすい臓がんの治療への応用に強い期待が寄せられている。